光ケーブルの接続・延長
光ファイバーの延長
光ファイバーケーブルの延長方法つまり、接続方法は大きく分けて2つ、細かく分けて3つの接続方法があります。
①永久接続方法
この接続方法は、一度接続すると着脱は不可能な接続法です。この接続法には、融着接続とメカニカルスプライス接続(メカスプ)があります。
融着接続
2本の光ファイバーの主体であるコアとクラッドのガラス部の両断面のみを熱(アーク放電)により融解させ、ガラスを突きあわせ接続。接続部は裸線になっているためもろいので、保護スリーブで強化する。

メカニカルスプライス接続(一般的にメカスプと言う)
光ファイバーの断面をただ突き合わせて固定することで一本の光ファイバーにする方法。接続部が、メカスプに覆われているため、保護スリーブは不要。
付き合わせて接続します。

接続機器、セットはこちら光ケーブル接続機
②コネクタ接続法
2本の光ファイバの先端にコネクタを取り付けることで着脱可能な接続をする。この時注意すべきことは、両方のコネクタがオス、メスどちらかということです。一般的に、両者ともオスです。両方のコネクタがオスならば、間に変換アダプタが必要となります。コネクタ接続法に特有のことで留意すべき点は、着脱が可能なため、着脱時コネクタ同士の接着面に埃や指紋が著しく光が損失すること。そのため、クリーナーが必要となります。

光ケーブルのコネクタはこちら光ケーブルコネクタ
融着、メカスプ、コネクタ接続それぞれのメリットデメリット
接続損失:接続により生じる接続面でのエネルギー減衰量
テープ心線:素線を平行に並べて一括被覆した心線
接続法 | メリット | デメリット | その他 |
---|---|---|---|
融着 | 接続損失が小さい。 テープ心線を一度に融着接続が可能。 機械の性能によっては、自動的に融着し接続損失を検査してくれる。 |
高額な融着機が必要であり、機械のメンテナンスも必要となる。また、融着機のバッテリーを充電する必要がある。消耗品の保護スリーブが必要となる。 | |
メカスプ | 高価な機械が必要ない。 保護スリープが必要ない。 融着や保護スリープを取り付ける必要が無いため、比較的短時間で接続可能。 |
接続損失が、融着より大きい。接続後の不具合(規定の接続損失以上の損失出ること)を起こす可能性が多い。数日後に不具合が出ることもある。 | |
コネクタ | 着脱可能。 コネクタの先端を自由に選べる。 直接、機器に接続可能。 オーダーでコネクタを付けて出荷可能。 |
両方がオスなら、変換アダプタが必要になる。 融着より接続損失が大きい。 両方にコネクタを取り付ける必要あり(時間、手間) |
結合損失がコネクタや光ファイバーの種類(SM,GI)により異なる。(写真3)コネクタの接合損失は結合損失と言う。 |
コネクタアダプタ結合損失値(参考)
コネクタ通称 | 心数 | 研磨種別 | 光ファイバー種別 | 備考 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
シングルモード(dB以下) | マルチモード(dB以下) | ||||||
JIS規格 | SEI規格 | JIS規格 | SEI規格 | ||||
SC | 単心 | 直角 | 0.8 | ー | 0.6 | ー | |
球面 | 0.5 | 0.5 | 0.3 | 0.3 | |||
FC | 単心 | 直角 | 1 | 1 | 0.6 | 0.6 | |
球面 | 0.7 | 0.5 | 0.3 | 0.3 | |||
ST | 単心 | 球面 | ー | 0.5 | ー | 0.3 | IEC準拠 |
D型 | 単心 | 直角 | 1 | ー | 0.6 | ー | |
球面 | 0.7 | 0.5 | 0.3 | 0.3 | |||
MU | 単心 | 直角 | 0.8 | ー | 0.6 | ー | |
球面 | 0.5 | 0.5 | 0.3 | 0.3 | |||
D4 | 単心 | 直角 | 1 | 0.8 | 0.6 | 0.6 | |
球面 | 0.7 | 0.5 | 0.3 | ー | |||
SMA | 単心 | 直角 | ー | ー | ー | 2 | IEC準拠 |
FDDI | 2心 | 球面 | ー | ー | ー | 0.5 | FDDI準拠 |
MPO | 2〜12心 | 斜め直角 | 1.6 | 0.75 | 1.5 | 0.75 | |
MT | 1〜12心 | 直角 | 1.3 | 0.7 | 1.2 | 0.5 | 整合材あり |
- ※
- 品種の異なるコネクタの場合は、結合損失値の高い方の値を採用します。
- ※
- SEIとは、JIS規格より更に厳しい基準を設けた住友電工の規格です。
接続損失:接続により生じる接続面でのエネルギー減衰量
テープ心線:素線を平行に並べて一括被覆した心線
光コネクタ断面(フェルール)の汚れ
光ケーブルをコネクタ接続する際には、フェルールの汚れにご注意ください!
<フェルールの材質>
ジルコニア…信頼性と耐久性に優れています。現在は大部分のフェルールに用いられています
プラスチック…性能的にはジルコニアと同等。しかし、環境の変化の影響を受けやすい。
ステンレス…非常に強固ですが、信頼性はジルコニアと比べて劣ります。
- ■指の油がフェルール端面に付着
- 接続作業時(結合)、フェルール先端部を指で触った時のコネクタフェルール先端部の汚れた状態です。
- ■ほこりがフェルール端面に付着
- 接続作業時(結合)、コネクタを落としてしまった、または衣服(作業服)等でフェルール先端部を清掃した場合のコネクタフェルール先端部の汚れた状態です。
- ■埃がフェルール端面に付着
- 接続作業時(結合)、エチルアルコールでコネクタフェルール先端部を清掃したが、アルコールのシミが残る
エチルアルコールの清掃はフェルール端面を綺麗に清掃できるが、熟練とフェルール端面の確認が必要です。
- ■コネクタフェルール端面が綺麗な状態
- クレトップを使用して、フェルール端面を清掃します。
汚れを取り除きたい方はこちらキレイにする商品(オプクリーン等)