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同軸ケーブルとは

同軸ケーブルは、電気を通して映像などの情報を伝達する通信ケーブルです。正式名称は「発泡ポリエチレン絶縁ビニルシース同軸ケーブル」で、英語では「COAXIAL CABLE」(コアキシャルケーブル)と呼ばれます。
高周波の多重伝送に適した被覆電線(絶縁体やビニルなどで覆われた電線)の一種で、VHF(超短波・従来のアナログ放送に対応)やUHF(極超短波・地上デジタルに対応)、BSなどの信号周波数である、70MHzから2,000MHzの高周波信号の伝送が効率的です。
2011年に国内はデジタル放送に移行されましたが、現在主流のUHF対応ケーブルはVHFにも対応しています。
同軸ケーブルの用途は、特性インピーダンスのΩ(オーム)が「75Ω」か「50Ω」かで、分けられます。広く出回っているのは特性インピーダンス75Ωのタイプで、テレビやカメラなどで使用。特性インピーダンス50Ωは防災無線などで使われます。
使用例は、テレビとチューナー装置の接続、ネットワークケーブル用、監視カメラ用などがあります。地デジ放送とCSの2種類を一度に対応させたい場合は、混合器を利用し、分波などもてきるようになっています。
代表的な同軸ケーブルには、衛星放送受信対応の「S-5C-FB」があります。

同軸ケーブルとは

同軸ケーブルの断面は多重構造になっています。テレビ受信用で見ると、中心から電気を通す芯線「銅心線」、芯線を包む絶縁体「発泡ポリエチレン」、「アルミ箔テープ」「銅編組(網状の導体)」、「ビニルシース(保護外被)」という順に覆われています。
外側のビニルシースは、防水の役目を担い、その内側のアルミ箔テープと銅編組でシールドを構成します。多重構造によって、外部からの電磁波の影響を受けにくくなります。その結果、電波の減衰や雑音(ノイズ)による悪影響を低く抑え、高い品質が確保できるようになっています。

同軸ケーブルの構成について詳細に知りたい方はコチラ同軸ケーブルの構造

同軸ケーブルの規格

同軸ケーブルの規格は「日本工業規格(JIS規格)」によって規定が定められています。
このJIS規格では、特性インピーダンス毎に幾つかの種類に規格が分類されている点がひとつの特徴です。
JIS規格ケーブルの規格構成の分類項目と表記単位は以下の通りです。

【同軸ケーブルのJIS規格構成と単位一覧】

  • 内部導体の構成(本/mm)
  • 絶縁体の外径(mm)
  • 特性インピーダンス(Ω)※オーム
  • 波長短縮率MHz(%)
  • 減衰量(dB/km)
  • 外部導体(mm)
  • VCシース(mm)
  • 概算質量(kg/km)
  • 標準長(m)
  • 耐電圧(ACV/1分)

代表的な同軸ケーブルの種類と標準減衰量

周波数 UHF 470MHz (dB) UHF 770MHz (dB) BS 1300MHz (dB) CS 2000MHz (dB)
名称
3C-2V 0.28 0.37 - -
5C-2V 0.2 0.29 - -
7C-2V 0.15 0.2 - -
3C-FV 0.24 0.33 - -
5C-FV 0.15 0.21 - -
5C-FB 0.14 0.19 0.27 -
7C-FB 0.1 0.14 0.2 -
S-4C-FB 0.18 0.24 0.32 0.41
S-5C-FB 0.15 0.19 0.26 0.34
S-7C-FB 0.11 0.14 0.19 0.25

標準減衰量(dB/km)

同軸ケーブルのより詳細な種類を知りたい方はコチララインナップ

高周波伝送の場合は、周波数が高いほど減衰の割合が大きくなります。例えば、VHFとBSだと、1,300MHz帯付近を使用するBSの電波の方が減衰が大きいという特性があります。 高周波帯や長距離の電波を受信し、減衰が大きくなる場合は、同軸ケーブルのサイズを大きくしたり、高発泡ポリエチレンの製品を採用するなどして、減衰を抑えることが必要です。

同軸ケーブルの減衰について詳細に知りたい方はコチラ減衰など損失に関して

同軸ケーブルの記号と種類

同軸ケーブルの読み方

同軸ケーブルのJIS規格表記では、記号と数字の組み合わせで同軸ケーブルの種類や特性を示します。

S - 5 C - 2 V
S:BS/CS
(衛星放送、2600Hz)
対応
DIGITAL:デジタル
・インターネット対応
- 外部導体の
概略内径
(㎜)
特性インピーダンスが
C:75Ω
D:50Ω
- 絶縁体が
2:ポリエチレン
F:発砲ポリエチレン
外部導体が
B:アルミ箔付き
プラスチック
テープと
導体編組
V:一重導体編組
W:二重導体編組

※エコタイプの場合、①の前に「EM」が付きます。

①対応の規格
「S(BS/CS(衛星放送、2600Hz)対応)」、「DIGITAL(デジタル・インターネット対応)」
などがあります。未対応の場合、無表記。
②外部導体(網線)直径(㎜)
3、4、5、7、10が代表的です。
③特性インピーダンス(Ω)
「C(75Ω)」か「D(50Ω)」が入ります。主に50Ωは無線機などの電力伝送用、75Ωはテレビの受像機等の信号転送用。
④絶縁体に使用されている材料
「2(ポリエチレン)」、「F(発泡ポリエチレン)」、「HF(高発泡ポリエチレン)」のどれかが入り「2」が最も多く使われています。
⑤外部導体の形状
「W(編組2重・二重導体編組)」、「V(単層・一重導体編組)」、「B(アルミ箔テープ付銅編組)」、「BL(編組3重)」となります。
※エコタイプの場合、①の前に「EM」が付きます。

このように、表記からその同軸ケーブルの仕様が分かるようになっています。
②の直径は、特に一戸建て家庭用のケーブルとしては、3mm、4mm、5mmまでが主流です。ちなみに、家庭で使われやすいケーブルであるテレビ受像機のアンテナ給電線として主に使われるのが、5C-2Vという種類です。これも直径が5mmとなっていることが分かります。
④の絶縁体の材料は、損失に関わるものです。先に挙げた「5C-2V」の低損失タイプが「5C-FB」。絶縁体の材料が「F(発泡ポリエチレン)」となり、損失が抑えられる物となっています。特に、ビルの内部に使用されるテレビ共同視聴用の同軸ケーブルは、「S-5C-FB」または「S-7C-FB」の2本がほとんどを占めています。その他、RG同軸ケーブルなどもあります。

同軸ケーブルの主な使われ方

同軸ケーブルの種類について詳を知りたい方はコチラ同軸ケーブルの種類

同軸ケーブルの構成

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