光ファイバーの基礎知識
光ファイバーの分類
光ファイバー通信の特徴
- ●低損失・・・・・・
- 平衡対ケーブル、同軸ケーブルのいずれと比べても低損失
- ●広帯域・・・・・・
- 種類にもよりますが、同軸ケーブルに比べてはるかに高い周波数の信号を伝送できます。
- ●細径・軽量・・・
- 他の伝送媒体に比べ、細径・軽量。ファイバ1心の太さは、被覆を施して直径 0.25mmであり、同軸の1/30にあたります。従来のメタリックケーブルと同外径のケーブルでは、より多数の心線を収容でき、敷設にも非常に有利です。
- ●無誘導・・・・・・
- 石英ガラスなどのガラスは電気を通しません。外部(高電圧線やラジオなどの電波)からの電磁誘導がなく、適用領域によっては大きなメリットになります。
- ●省資源・・・・・・
- 光ファイバの主成分である石英は、貴重な銅資源に比べ比較的資源問題が少ないです。少量の原料で長尺の光ファイバが製造できる利点もあります。
光ファイバーは、低損失で軽量、様々なメリットがあり、今日の通信環境に欠かせない存在となりました。
曲げに弱いなど欠点もありますが、敷設やその他気をつけなければならない部分にさえ気を使えばこれからももっと利用されていくケーブルです。
心線の種類は、主に3種類
光ファイバは石英ガラスでできていて非常に脆弱であり、また、通常125µm(0.125mm)と極めて細いため、周囲に保護被覆を被せてあります。この被覆を被せた状態を心線と呼び、 大きく (1)0.25mm素線 (2)0.9mm心線 (3)テープ心線 の三種類に分類されます。
- ●0.25mm素線
- 光ファイバーを紫外線硬化型樹脂で覆い、0.25mm径にした素線です。非常に細径なため、ケーブル化するときの心線収容性に優れ、多心化する必要があるときに用いられます。
- ●0.9mm心線
- 光ファイバーをプラスチック樹脂で覆い、0.9mm径にした心線です。0.25mm素線に比べ強くできているため、取り扱い性に優れ、LAN配線などの少心ケーブルに広く使用されています。
- ●テープ心線
- 0.25mm素線を複数平行に並べ、さらに紫外線硬化型樹脂で覆った心線です。(さまざまな心数があります)0.25mm素線同様に、ケーブル化するときの心線収容性に優れ、特に4心タイプは、4心一括で光ファイバー接続できることから、光キャビネット/成端架内で使うFOコードにも用いられます。
光ケーブルの構成例
繊細な光ファイバー心線を収納する光ケーブルは、屋内外での実用に耐えられるよう工夫する必要があります。一般的にテンションメンバ、保護層、シースなどの構成部材が用いられ、層状に構成することでより耐久性のある設計がなされています。これにより、外力の影響を受けにくく、伝送特性の安定した、さらに敷設作業がしやすい光ケーブルがつくれるのです。
- ●テンションメンバ
- 敷設時にかかる張力から光ファイバーを守ります。主に鋼線が用いられますが、無誘導にする場合はFRP、曲げやすさを求める場合はアラミド繊維と、用途に応じて使い分けられます。
- ●保護層
- 光ファイバーを側圧などの外力から守るために、クッションのような役割をする保護層を設けています。
- ●シース
- さまざまな敷設環境から光ファイバの保護をするためのものです。以下に代表的な敷設環境とシース構造の使い分けの例を示します。
- ■ポリエチレンシース
- 機械的強度に優れ、架空・管路敷設等、多くの環境で使用される最も一般的なシースです。
- ■難燃ポリエチレンシース
- 難燃性をもたせたポリエチレンシースです。一般的に屋内の敷設では難燃性が必要となります。
- ■HS(High Strength)シース
- 波付け加工をしたステンレステープ上にポリエチレンシースをほどこした構造で、 機械的強度を高めています。キツツキや鼠、リス等の鳥獣害対策に用いられます。
- ■色帯シース
- ポリエチレンシース上に黄色や緑色等のストライプを設けた構造です。 複数本のケーブルが敷設されている環境で、識別性を向上させるためのものです。